里山野菜

水槽面に青いコケのようなものが発生してしまいました。

鮮やかなグリーンの付着物や、ホワイトグリーンの付着物が確認されたら、土がよくなってきている証拠です。 鮮やかなグリーンの正体は、シアノバクテリアという光合成細菌です。このバクテリアは万能で、足りないものを補う救世主として注目されています。 まず、シアノバクテリアは自ら光合成ができるので炭素を土に固定(空気中の二酸化炭素を有機物の形に変え土の中に取り込むこと)できます。土に固定された炭素は、微生物や植物が利用することができるので、植物からすれば電動自転車を漕いでいるように、自らの光合成を後押しするエネルギーを得られ、生育が早くなります。一方、土の中の微生物は生きるために必要な糧を得られ、ますます活発に働けるようになります。 シアノバクテリアには、進化のプロセスで、光合成の他にもう一つの秘技を身につけました。それは、空気中から窒素を固定するというイリュージョンです。窒素が滞ると問題になることは他のQ&Aでも触れましたが、窒素が足りなければ植物や微生物は体の基礎となるタンパク質を作ることができず、増殖はおろか、生存することさえままならなくなってしまいます。このシアノバクテリアが窒素を固定してくれることにより、肥料を与えなくても必要な分の窒素が土の中を循環するようになっていきます。 鮮やかなグリーンに白を混ぜたようなホワイトグリーンの付着物は、「地衣類(ちいるい)」と呼ばれるもので、菌類とシアノバクテリアが共生した生き物の群衆です。これもシアノバクテリアと同等かそれ以上の働きをしてくれます。地衣類は、シアノバクテリアの「炭素・窒素固定能」に加え、キノコの特技である「硬い繊維の分解能」を有しており、合成・分解が自由自在な、最強の生き物ともいえるかもしれません。もし、これらの生き物が水槽面や土の表面に確認されたなら、その土は無から有を生み出す力を持っていると言っても過言ではありません。