里山野菜

白いカビのようなものが発生してしまったのですが…

カビの菌糸なのかキノコ類の菌糸なのか、見分けた上で対策しましょう。もし、キノコ類の菌糸であれば、土が良くなってきている証拠です。 キノコ類の菌糸であれば、とてもラッキーです。この種の微生物が土に増えはじめているということは、土の中の余分な窒素分がお掃除され、とてもクリーンな状態になっているということなので、微生物が増殖できる環境が整っているということです。カビの菌糸とキノコ類の菌糸の見分け方として、物体から針のピン(またはタンポポの綿毛)みたいに個別に菌糸が生えていたら「カビの菌糸」、白い糸状のものが木の枝みたいに分枝していたり、細かい綿毛のようなものが硬い木片や葉を覆っていたら「キノコ類の菌糸」であることが多いと思います。

右下に見える白いものがキノコの菌糸です

一方で、「カビ」というと一般的にあまり良い印象を持たれないと思います。 よくあるのは、植物の種をまいて密閉しておくと、種に無数のカビが生えてしまうこと。これは、カビが炭素を豊富に含む有機物を好むためで、種のような見た目硬そうなものにはコウジカビ(アスペルギルス属)などのカビが生え、パンのような見た目柔らかいものにはアオカビ(ペニシリウム属)が生えることが多いです。厳密にいうと、有機物を構成する分子によって生えるカビは異なり、その分子を分解する能力が最も高いカビが繁殖するしくみになっています。 対策としては、時々水槽内の空気を動かすと良いでしょう。Agrium本体のミストを噴射させると自動的に空気が流動しますが、水槽の蓋を少し開けた状態にすることで湿気がこもりすぎないため、カビが生えにくい環境を作ることができます。(ただ、カビが生えたからといって土の状態が悪くなっているということではないため、誤解のありませんように。) 一応カビの名誉のために言うと、カビの働きは自然界では欠かせないものです。冒頭で説明したコウジカビは、甘酒や味噌、酒造りには欠かせない存在です。カビがいなければ、未消化の有機物が大量に堆積し、地球を覆い尽くしてしまうでしょう。