里山野菜

市販の肥料を与えても良いでしょうか?

肥料を与えても構いませんが、与えることによるデメリットもあります。 まず、肥料(有機・化成問わず)を与えると、病虫害の発生リスクが高まります。 肥料の主な成分は窒素成分ですが、この窒素成分が植物に利用されずに残った分は、土の中に残ります。肥料を与えることを定期的に繰り返していくと、あるとき過剰に溜まった窒素分を植物が意図せず吸い上げてしまう現象が起こります。すると、食用とする葉や実・花の中に、発ガン性物質として問題となる亜硝酸を多く含む問題が起こりえます。植物は光合成の作用によって、硝酸や亜硝酸をアミノ酸に転化できますが、その処理が追いつかなければ亜硝酸や硝酸は植物の中に残留してしまうのです。この状態は植物にとって健康的な状態とはいえないため、免疫力の低下から、病虫害の被害を受けやすくなります。 もう一つ、肥料を与えることにより窒素成分が土の中にとどまると、微生物の増殖が妨げられる問題があります。 微生物が豊かな土作りを行うにあたっては、土の中に窒素成分が残っていてはいけないのです。 以上は、「微生物の力を活用して作物を栽培すること」が前提となった話です。微生物による作物の栽培ではなく、施肥(人が肥料を与えること)による作物の栽培を目指す場合には、市販の肥料を与えていただいて構いません。