vol.3アレルゲン不使用、10種の野菜を味わうシチュー。

アレルゲン不使用、10種の野菜を味わうシチュー。

第3号のテーマは「シチュー」です。食にまつわる物語とともに、簡単に作れる素材をお届けします。

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「腸内フローラ」を整える食習慣 アレルギーの発症には 腸内環境が関係していた!?

人体に無害な物質に対して体が過剰に反応してしまう「アレルギー性疾患」。この中でも、多くの人々を悩ませているのが、花粉症やアトピー、食物アレルギーなど、すぐに体に反応が出るⅠ型アレルギーです。これに対する治療法は現時点で確立されていないため、アレルゲン(原因となる物質)を避けて生活するか、症状を抑える薬を服用するかなどして、アレルギーとうまく付き合っていくほかないとされてきました。 しかし、近年になり興味深い研究が発表されました。Ⅰ型アレルギーの発症や症状の進行には、腸内環境が関係している可能性があるというのです。

この研究によれば、アレルギー患者の腸内フローラ(細菌の構成)は健常者のそれと比べて、①多様性に乏しかったり、②特定の種の数が多かったり少なかったりしたようです。たとえば、アレルギー患者の腸内では一部の酪酸生成菌の数が少ないことが明らかにされており、これがアレルギーの発症や進行をもたらす原因の一つとして指摘されています。なぜなら、この菌が産生する酪酸には、過剰な免疫反応を抑制するTreg細胞を活性化する働きがあるからです。アレルギーと向き合うにあたっては、食べるものを見直し、腸内環境を整えてゆくアプローチも必要なのです。

「食べたい」を叶えるアレルゲンフリーの食品開発

1950年代頃までは先進国でほとんど報告されることのなかったアレルギー性疾患が、ここ半世紀で「文明病」と呼ばれるまでに拡大しました。2000年頃からは食物アレルギー患者が増え続け、今では日本人の約1割が何らかの食物アレルギー疾患を抱えていると言われています。好きなものを食べられない、食べさせてあげられない…辛い悩みです。

そのようなアレルギー持ちの方々のお役に立てたらという想いから、アレルゲンとなる材料(卵/乳製品/小麦など28品目)を一切使用せず、野菜をベースの材料として開発したのが、こちらのシチューのキットです。まずは思う存分シチューを楽しんでいただき、その次に目指していただきたいのがアレルギー体質の改善です。右で述べたように、腸内環境を整える食生活により、症状が緩和されてゆく可能性があるためです。タンパク質や脂質の過剰な摂取を控え、野菜などに豊富に含まれる食物繊維を意識して摂ることで、先に述べた酪酸生成菌など有用菌が腸内で増えます。これらの菌を腸内で上手に飼うためにも、日々の食習慣について改めて考えてみませんか。

素材のこだわり 「野山のもの」、「海のもの」でつくったシチューのルー

シチューのコクを出すためには、バターなどの動物性脂質を使用するのが一般的です。しかし、脂質の過剰摂取は腸内環境を乱す「ディスバイオシス」に繋がることから、これを使用しない方法を模索しました。芋や野菜、米のでんぷん質でコクを再現した結果、動物性原料を一切使わない製品に仕上がりました。

シチューの旨味を表現するのが「野のもの(野菜)」、「山のもの(きのこ)」ならば、全体の味を決定づけるのは「海のもの(海塩)」です。伊豆大島に残る伝統的な製塩技術で、海のミネラル成分を余すことなく抽出したマイルドな塩味の海塩を使用。味覚面と健康面の両立を目指した、こだわりの製品です。

[参考文献] Bisgaard H, Li N, Bonnelykke K, et al. Reduced diversity of the intestinal microbiota during infancy is associated with increased risk of allergic disease at school age. Journal of allergy and clinical immunology. 2011; 128: 646–652. Venkataraman A, et al.: Microbiome 2016; 4: 33.

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