里山野菜

ビオ・フォレストリー −安心安全なオーガニック食材の安定生産技術−

近年、地球環境の変動を受け、猛暑や長雨などの異常気象が頻発しています。 こうした環境変化によって起こる被害は、風雨による作物への直接的な打撃だけではありません。長く雨が降って水浸しになったり、日照が足りなかったり、逆に全く雨が降らなかったりと天候不順が長引けば、病虫害の発生リスクが高まってしまいます。もはや、無菌施設か薬を使わなければ良い作物は作れない時代になってしまったのしょうか?

森林に目を向けてみましょう。ここでは異常気象があろうがなかろうが、植物はたくましく育っています。また、人が肥料を与えているわけではないのに、数十メートルの巨木が立ち並んでいます。さらに、植生バランスが安定したその土地ならではの森林※注1においては病虫害はそんなに多くは見られません。植物の生命力が高く、免疫作用がきちんと機能しているからです。このような健康な植物をはぐくむ秘密は、「森林の緩衝性」と、「土壌微生物のはたらき」にありました。

この自然界の仕組みに学び、微生物にとって安定的な環境を作り出しじっくりとよい土を育んでいくための独自の研究をおよそ5年間にわたって行い、ついに里山野菜はビオ・フォレストリー(Bio-Forestry)という農林業複合型のオーガニック栽培技術にたどり着きました。ビオ・フォレストリーは、土中の微生物の環境を整え、活性化させることに重きを置いた技術であるため、作物に肥料を与える慣行の栽培技術とはノウハウが異なります。農薬や除草剤などの防除技術・遺伝子組み換え技術などは一切使用せず、また土地の環境に左右されることなく、品質の高い作物をつくります。イメージとしては、お酒や味噌などを樽で熟成するような培養技術に近いといえます。微生物がたっぷり入っている熟成コンテナで、お天道様をたっぷりと浴びて作物が育っている様子を想像してみてください。この技術により、理論上ほとんどの野菜や果物の生産が可能となると考えられ、現在検証を続けています。

1 学術的には、潜在自然植生(Reinhold Tüxen, 1956)や極相林と呼ばれます。
ビオ・フォレストリーの露地施設建設中の様子
栽培テクノロジー
独自の栽培技術「ビオ・フォレストリー」は、土の中の微生物の生息環境を整え、活性化させることにより、コントロールが難しかったオーガニック栽培を制御する、地球環境に優しいテクノロジーです。(無農薬/化学肥料不使用 ※2020年に一部の作物で実用化)
栽培施設
機能性と美観性を両立した栽培施設を追求し、独自で設計・建設を行っています。
露地栽培
果樹または実もの野菜、葉菜類、および香味野菜・ハーブ類のフラクタルハイブリッド栽培を行っています。
グリーンハウス栽培
木造のグリーンハウス内では、主にメロンやイチゴ、トマトなどの温度管理が必要な作物の栽培を行なっています。
里山(林間)栽培
原木きのこの栽培を行なっています。また、林間に建設した蔵にて、収穫した作物の熟成・貯蔵を行っています。